現代のデカルト的な疑問:知の基礎付け①

デカルトの活躍した近世という時代は、科学が発展していった時代であり、学の根拠をそれまでの中世のキリスト教的価値観に求めることが難しくなった時代です。

キリスト教的価値観が疑わしくなった時代に、デカルトは、何らかの確固たる土台を元に学を構築する必要性を感じました。確固たる土台を元にあらゆる物事を積み上げていけば、全てが整合性を持って構築されると考えました。

方法的懐疑によってあらゆるものを吟味にかけ、絶対的に信頼できるものを抽出しようとしました。そして、たどり着いたのが、「私は考える、だから私はある」という結論です。デカルトはこの「われ思うゆえにわれあり」、つまり、理性を哲学の第一原理として知を組み立て直すことを考えました。