易しい哲学史③中世哲学

「4世紀~15世紀:中世哲学」についてです。この時期は更に前半教父哲学と後半のスコラ哲学に分けられるでしょう。

4世紀(2世紀)~8世紀:教父哲学

9世紀~15世紀:スコラ哲学

教父哲学の代表的な哲学者(神学者)がアウグスティヌスであり、スコラ哲学の代表的哲学者(神学者)がトーマスアクィナスです。

中世の時代は、キリスト教によって、西洋哲学が脇に追いやられた時代です。プラトンの哲学は、プロティノスの新プラトン主義からキリスト教の理論的な枠組みに組み込まれていますが、アリストテレス哲学は、キリスト教が国教になって以来、西洋から排斥されイスラムに受け継がれてきました。

教父哲学においては、異教に対する弁護の為、ギリシャ哲学などを利用して、キリスト教の体系化が行われました。その最大の哲学者がアウグスティヌスです。

11世紀以降になると、十字軍の遠征によって、アリストテレス哲学がイスラムの世界から西洋に逆輸入されます。キリスト教神学とアリストテレス哲学の整合性を図る必要が現れ、その整合性を研究した学問がスコラ哲学です。その最大の哲学者は13世紀のキリスト教神学者であるトーマスアクィナスでしょう。トーマスアクィナスは、神や死後の世界の立証はアリストテレス哲学では論証できず、信仰にしかできないと主張。信仰の優位から、アリストテレス哲学を下位、キリスト教神学ないし信仰を上位に位置づけることによって、スコラ哲学の体系化を図りました。