易しい哲学史⑥近代哲学(1)

16世紀から17世紀の近世哲学に次いで、18世紀からの近代哲学についてです。

この近代哲学において、大きな幹となる流れは、ドイツ観念論哲学と言います。ドイツ観念論は、カントを始祖とし、フィヒテ、シェリングとバトンを受け継いで、最後ヘーゲルによって、大成を見ます。

さて、16世紀から17世紀の近世哲学がイギリス経験論哲学と大陸合理主義哲学という大きな2つの流れによって展開しますが、これを分かりやすく対比すると、イギリス経験論哲学が帰納法で現実からの積み上げ、大陸合理主義哲学が演繹法で理性による理念の抽出ということになります。

このように両者は明確に2つに対比されるわけですが、この後に出てくるドイツ観念論によって、この両者が統一止揚されるわけです。そして、その最高峰の頂点を極めたのがゲオルクウィルヘルムヘーゲルです。哲学が一つの頂点を極めた瞬間であると言えるでしょう。

近世/近代哲学を大きく概観するとこのようになるでしょう。私は、この近世/近代哲学は哲学史上も、ギリシャ哲学以来の山の最高峰を極めた瞬間であったと思います。