ニーチェ(3)永遠回帰と力への意志、そして「超人」

今まで信じられていた神的な価値観が崩壊し、では、現実の世界はどのようなものであるということになるのでしょうか?

それをニーチェは永遠回帰と言う言葉で説明します。近代のヘーゲルにおいて人類は進歩の歴史をたどると言う進歩史観が形成されたわけですが、ニーチェは、そのような目的性を持った世界のあり方を否定します。世界は進歩と言った目的を持って展開するのではなく、単に同一の状態が永遠に繰り返されるだけであると主張しました。それを永遠回帰と言います。

このような状態では人間は無気力に陥り社会全体としてニヒリズムとなっていくわけですが、ニーチェによると、人間は「力への意志」を持っていると言います。力への意志とは自分自身を超越し成長しようとする根源的な意志であるということですが、そのような力への意志を持って、永遠回帰の世界を単に嘆き苦しむのではなく、それを受け入れ、超越しようと人間は努力していくものであり、努力していくべきであるとするのがニーチェの思想です。そして、そのような人間を「超人」とニーチェは呼びます。

単に世界はニヒリズムで無意味で無価値であると嘆くのではなく(消極的ニヒリズム)、それを積極的に乗り越えて生を肯定した(積極的ニヒリズム)ことがニーチェの特徴であると言えるでしょう。

これで新たなる時代の価値への一つの回答を提示したわけです。