未曽有の危機の時代にどう生きるか?②鎌倉時代の混乱と鎌倉仏教

現代の状況はある種、鎌倉時代の状況に似ていると言ってよいと思います。

鎌倉時代はご存じのように源平合戦などの国内の混乱とともに、後の蒙古の襲来による外敵による混乱があり、また、疫病、飢饉、地震がしばしばあり、すべての人々がより悲惨になり、不安に陥れられました。こういった状況にある人々は、自分たちを指導してくれる指導者を待ち望んだわけです。

今現代の状況に非常に似ていると思います。今現代も、やはり様々なる政治経済の混乱、コロナ禍によるパンデミック、温暖化による天変地異と、スケールこそ鎌倉時代の数倍ものスケールになりますが、しかし、その内容は同じであると思います。

そして、鎌倉の時は、仏教が、つまり、親鸞による他力信仰が一つの救済の道となったわけです。

この時代にも現代と同じように、自力では道を切り開くことが困難な人が無数にいたわけです。そうした人たちに親鸞は、他力信仰を唱え、阿弥陀如来を信じれば救われるという教えを説いたと思います。

私自身は阿弥陀如来を信じただけで、また、南無阿弥陀仏を唱えただけで救われるわけではないと思いますが、鎌倉の時代に自力では這い上がることができない人々に難しいことを言っても分からないのです。そこで、親鸞はそうした他力の教えを説いていったのだろうと思います。