無知の知

現代は実証主義の時代であり、唯物的価値観が支配する時代であると思います。

科学が発達した影響によって科学によって証明できないものは存在しない。科学によって証明できないものは、それは認識の間違いであって、そもそもそんなものは存在しないのだ。そういった主義主張もあります。

私にはそれが不思議でなりません。

「科学によって証明できない神や霊魂といったものは人間の想像の産物であって、そのようなものはそもそも存在しなかったのだ。」

そう結論付けることのできる傲慢さが私には信じられません。なぜ、自分が認識していることが全てだと主張できるのでしょうか?なぜ、自分自身が分からないものが存在する可能性を想定できないでしょうか?

そういった人々は、自分自身が無知であることを知らないわけです。要は、「無知の無知」です。

そこにおいて、ソクラテスは、自らが知らないことを知っていた。知に対する謙虚さを持っていた。

現代の科学者や哲学者、医学者は、もう少し知に対して謙虚さを持つ必要があるでしょう。自らが何も知らない可能性を考慮し、更なる探求が必要であると思います。