殺人はいけないという根拠③

知の次元の議論では相対主義に陥り、決着がつかないと言う話をしました。

殺人はいけない、という議論は、いわば形而上学的な議論になるのです。カントの言うようにアンチノミーに陥り、決着をつけることはできません。知には限界があり、その限界ゆえに殺人に対する根拠を与えることはできません。

そうではなく、真理認識から演繹的に回答を与えることが必要なのです。私は、真理認識は可能であるという話をし、そして、真理とは愛であると言う話をしています。この辺の詳細は、別項を参照していただければと思いますが、真理は存在し、真理とは愛であるということです。

愛とは、利他を要請します。逆に利己的な行為は愛に反します。

そこで、殺人について考えてみると、このような行為は、自己都合の最たるものであり、利己主義的な行為の最たるものであります。従って、殺人は許容されないということとなります。

ここにおいて、相対主義を突き抜けて絶対的な回答を提示することが可能となるのです。