哲学の難問⑨フッサールの考え

ニーチェの認識論を概観しました。ニーチェの認識論はパースペクティビズム(遠近法主義)であり、相対主義的な立場であると言う話をしました。

一方でフッサールと言う哲学者が現れます。

フッサールは、現象学の考えを提示し、物事を深く考え本質を抽出する方法論を構築しました。

その中でやはり主観と客観の一致の問題に回答を与えようとしますが、彼のやり方は主観と客観の一致について真正面から取り組むのではなく、まさに、誰も気づかなかった側面から切り込んだ。そのように言ってよいでしょう。

まず、主観と客観の一致は、それを第三者の視点で確認することが必要であるが、しかし、そのような目を持つことはできない。彼は、それを主張しました。そして、その上で、別の側面からこの問題に回答を与えます。つまり、主観と客観の一致を確認するのではなく、人間がなぜ自分自身の主観と客観が一致していると思い込むのか?その理由を解明することが大切であるとするわけです。

これがフッサールの主観と客観の一致の問題に対する考えですね。