哲学の難問⑩やはり問題は解決されないまま
フッサールの現象学について考えてみました。
フッサールは、主観と客観の一致を確認するのではなく、主観と客観が一致している、そう人間が思い込む理由は何か?を抽出することが大切であるとしました。
これは、面白い考えなのですが、しかし、主観と客観が一致していると思い込む理由を探しても、一方で、現実には主観と客観は一致しないままとなります。このような状態では、やはり相対主義と言うことになり、真理など存在しないという結論となります。
これでは、社会的な共通善を構築することができなくなり、理想社会を構築することは不可能でしょう。
従って、主観と客観の一致の思い込みを探るのは良いのですが、しかし、一方で主観と客観の一致の問題から外れてはならない、このように思います。