哲学の難問⑪コペルニクス的転回

主観と客観の一致については、これまで記載してきたように、デカルト、カント、ヘーゲル、ニーチェ、フッサールとバトンが渡されてきました。実際にはヘーゲルによって解決しているのですが、このようにバトンを渡されてきたわけです。

そして、現在の認識としては、主観と客観の一致は原理的に不可であるという認識が一般的でしょう。

私はこれに対して主観と客観の一致は可能であると断言しましょう。

結局、これまで哲学者は知的に主観と客観の一致を実現しようと試みてきたわけですが、実際には、この知という束縛から解放される必要があるのです。

主観と客観の一致は、哲学の最も基礎的な問題であると思いますが、この哲学の基礎というのは、実は知によって構築することができないのです。今まで哲学者は、哲学と言う知の分野ですから、知的に分析しようとしてきたわけですが、実際には、知の基礎は知によって構築できません。

知の基礎は知によって構築されるのではなく、それを超えた信仰の領域に入ることによって構築されるのです。これがコペルニクス的転回です。