正しい知の使い方①理念の把握をしてから次に論理的思考の順番

今現在は知的社会であると思います。ビジネスにしても学問にしても、非常に高度な知が成り立っており、知のレベルは非常に高い。

しかし、この知と言うものが正しく使用されているかどうかというと私は否と言わざるを得ないのです。

知の使用と言うと、一般的には何が思い浮かぶでしょうか?おそらくは論理的思考方法といったものが思い浮かぶかもしれません。確かにそれも一つです。論理的思考も確かに一つです。

しかし、知の行使に対しては、この論理的思考をする前の段階がより重要なのです。前の段階とは何かというと、判断基準ということが言えるでしょう。何を元にそういう風に判断するのか?その判断の根拠です。この判断の根拠があって、次に、その根拠に従って、論理的思考が行使されるということです。いきなり論理的思考ではないのです。まず、根拠、ないし理念の把握。その後に論理的思考ということです。

現代の知は、この論理的思考の前段の判断基準、ないし、理念がすっぽりと抜け落ちているのです。理念なき知の行使によって、社会のあり方を検討しているため、いつまでたっても幸せな社会が実現しないのです。

例えば、企業活動においては、何が大切でしょうか?おそらく無条件に売上を上げること、利益を上げることは良いことだ、という前提条件があることでしょう。そして、この前提条件は無条件に受け入れられている。多くの人が疑うことなく、この前提が受け入れられて、当たり前のことと思われているのではないでしょうか。そして、それを前提に論理的思考を駆使して、ビジネスを実行している。そうだろうと思います。

しかし、この売上至上主義という理念、利益至上主義と言う理念は高い次元の理念ではありません。理念には高い低いがあります。高い次元の理念を把握し、それに基づいて社会活動を、経済活動を検討していないがために、現在のような経済危機に陥っているということです。

従って、まず判断の根拠となる理念を把握する必要があるとともに、その理念は高い次元の理念である必要があります。