考えていることの正しさは証明できるか?⑤

さて、考えていることの正しさは証明できないという結論を出しました。

では、私たちは、あっているか間違っているかも分からない考えによって、そのような不明瞭な考えによって、歴史を進めざるを得ないのでしょうか?

答えはYESです。

人類の歴史は、砂上に楼閣を立てるがごときものです。砂上に楼閣を立てていて、家が崩れ去ろうとしているのに、なんで崩れ去ろうとしているのかが分からない。原因が分からないというのが今の人類のあり方であると言えるでしょう。

砂の上に家を建てているから崩れて当然でありますが、しかし、それが分からない。家の内部構造や間取りなどを一生懸命確認し、見当違いの方向ばかりを確認し、本質にたどり着けないのです。家の外に出れば、砂上に楼閣が立っていることなどすぐわかるのに、家の中であれこれ議論しているから、いつまでたっても本質にたどり着かないわけです。

つまり、知の外側に出てみれば、砂上に楼閣を立てていることなど明白であるのに、知の内側で、知の範囲内で、あれこれ議論しているので、本質にたどり着けないと言うことです。そこで、相対主義とか実証主義とか言っているのです。