主観と客観の一致の問題がなぜ解決しないのか?①カントの結論
主観と客観の一致については、今まで何度も議論してきました。
哲学の歴史においても、デカルト、カント、ヘーゲル、ニーチェ、フッサールと多くの哲学者がバトンを渡し、その難問を解決しようとしてきたわけですが、これが、いまだに解決に至っていません。
主観と客観が一致することは無く、真理認識はできない。従って、真理を探究することは無駄であり、各人それぞれの真理を探究することが望ましい。つまり、相対主義が今現在の主流の考えでしょう。
それを現代哲学に求めるまでもなく、既にカントによって、「理性的認識には限界がある」という結論が提示されています。人間の理性認識には限界があり、真理認識を行おうとすると、アンチノミーに陥り、真理は存在する、も、存在しない、も同時に証明されてしまいます。
従って、主観と客観が一致することは無く、真理認識は不可能、それが現代的な結論と言えるでしょう。
しかし、それでは、大変困ったことになります。
つまり、善や正義と言った概念すらも人それぞれになってしまいます。
私は主観と客観は一致する、と認識しています。それは、認識に関するコペルニクス的転回、が必要となるのです。