現代のデカルト的な疑問:知の基礎付け②
デカルトは理性を哲学の第一原理として学を構築することを考えました。
そして、この理性を元にして学を構築することを考えるのであれば、まずこの理性が信頼できるものであることを証明することが必要でしょう。デカルトもその必要性は感じていました。
ところが、あれだけ厳密に哲学の第一原理に関しては考えたのに、理性の信頼性についてはお粗末な結論でした。つまり、神が我々を欺くはずはないから理性は完全性を示すはずである、という結論です。
これでは、理性の信頼性を保証することはできません。