易しい哲学史⑦近代哲学(2)

ドイツ観念論哲学の始祖はカントです。

既にお話ししましたが、カントは、デビットヒュームの因果関係の否定に対抗するために、独自の哲学を生み出します。

ヒュームは因果関係を否定したわけですが、因果関係が否定されると、自然科学は全否定され、我々は一瞬たりともまともに生活できません。自然科学に信憑性を与え、人類の生活を守るために、因果関係に一定の信頼性を与える必要があります。この難問に立ち上がったのがカントです。そして、それを厳密に記述したのが、これが、『純粋理性批判』です。

『純粋理性批判』には何が書かれてあるかと言うと、我々はどこまで知ることが可能なのか?つまり、我々の認識の限界がどこにあるのか?ということです。

簡単に言えば、神は認識することができるか?霊魂は認識することができるか?因果関係は認識することができるか?人間はどこまで認識することが可能なのか?ということです。